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楽しく、美味しく、海の資源を大切に。長崎大学魚料研のナイスアクション。

楽しく、美味しく、海の資源を大切に。長崎大学魚料研のナイスアクション。

長崎大学 魚料理研究会 5代目会長 祝 翔太 さん

長崎大学に、魚を料理して美味しく食べる部活があります。その名も「魚料理研究会」略して魚料研(ぎょりょうけん)。エコな取り組みもしていると聞いて、月に一度の活動を訪ねました。

長崎大学 魚料理研究会 5代目会長
祝 翔太(ほおり しょうた) さん

福岡県春日市出身。長崎大学学部2年生。魚料理研究会5代目の会長として活躍中。釣りが好きで小学生の頃から魚を捌いてきた。その腕前は研究会でも随一。普段の釣り場は野母崎、脇岬。
地元なら糸島。好きな魚はサバ。

  

一年中美味しい、長崎の海。

魚料理研究会は、大人気の部活動なんですね。

祝さん:
魚料理研究会は、月に1度、公民館などで旬の魚を仕入れて捌いて料理して食べる部活です。昨年は120名近い部員がいましたが、流石に活動場所の確保が大変だったことから、今年から40名に絞っています。

ー今日は何の魚を捌くんですか?

祝さん:
カナガシラと、ヒラマサです。カナガシラは1人1匹は捌けるように数を仕入れています。漁協さんや漁師さんとの繋がりで、卸価格で仕入れさせてもらっています。

ーすごく立派なお魚たちですね。特にカナガシラは食べる機会も捌く機会もあまり多くないですよね。

祝さん:
長崎は日本一魚種が多い県なので、レアなお魚も積極的に捌いていくようにしています。また、長崎の魚食文化をもっと活性化したくて、親子教室を開いたりもしています。

ヒラマサを捌く人は、ジャンケンで決めた。「部費の中で人数分を仕入れています」と祝さん。

祝さんの見事な捌きっぷり。入部した時点では、魚を触ったことがない人も多いそう。活動内で教わりながら、だんだん捌けるようになってくるという。

海に捨てられる魚もいることを知って欲しい。

祝さん:
長崎は魚種が豊富すぎるので、一定量の漁獲が見込めない魚は市場に出回らずに破棄されてしまいます。利用されないので「未利用魚」と呼ばれています。ただ、食べると美味しいものも多いんですよ。

未利用魚の美味しさと価値を知っていただきたくて、活水大学のshe-side(シーサイド)さんとコラボし、ウツボ、コロダイ、イラの3種の唐揚げを提供しました。

ーお客さんの反応はいかがでしたか?

祝さん:
美味しいと喜んでもらえました。ちなみに一番美味しいと声が集まったのはウツボです。

ーウツボ……見た目のインパクトがあるお魚ですよね。

祝さん:
未利用魚や、見た目がイマイチな魚も美味しく食べられるんだということを世の中に発信することでお魚という資源も大切にできますし、海に捨てられていく魚に価値がつけばそれこそ水産業界が盛り上がるのではないかと考えています。

ー海に捨てられる……とてもインパクトがあります。食品廃棄の現場は、家庭やお店だけではないことがよくわかりました。

祝さん:
長崎の海は本当に魅力があると思います。いろんな魚が獲れるだけでなく、青モノの美味しさもナンバーワンだと思っています。何よりこの鮮度で食べられるのも魅力だと感じています。だからこそ長崎の水産業は元気であって欲しいし、美味しく食べることでその活性化の一部を担えるのであれば嬉しいです。

最近気になった、海にまつわるニュース。

祝さん:
気候変動の影響で、磯焼けや赤潮が起こっているのは本当に危機を感じています。海の環境の変化は大きなことですが、魚料研でできることは未利用魚を美味しくいただいて、捨てられているものを減らすこと。将来的には「ゼロカーボン水産」※のもと環境負荷の少ないエサを使った養殖魚も出てくると思いますので、そういったお魚を積極的に選択することかなと思います。

ー魚料理研究会さんは、すでに「楽しく、無理なく、ナイスアクション」を実践されているのがすごいと思います。最後に、今後の魚料研のビジョンはありますか?

祝さん:
定期的な活動で魚料理を楽しみつつ、自治体、企業とのコラボやイベントを通して、多くの方に長崎のお魚の美味しさ、豊富さを知っていただける機会を今後も持っていきたいと思います。

ゼロカーボン水産とは
現在、多くの水産養殖用飼料には、原料として魚粉が使われています。しかし魚粉の原料となる天然魚の不安定な漁獲量や燃料費用を含めた経費等の問題から、魚粉の供給が逼迫しています。すべて人の管理下で行う完全養殖技術、魚粉に頼らない新しい餌の開発によって、環境に優しく低炭素を意識した養殖を目指すものです。